Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
すると、その動揺した空気が、まだ落着かないガヤガヤのなかで、
「まア、いい、見物に怪我さえなけりゃいいさ、大難が小難、これで済んだ、これで済んだ」
と、大ふうな口をきいて、碌でもない太骨の扇子を、バッス、バッスと、あおいでいる変人があったものです。
たださえ気の荒い小屋者の気が立っているところだからたまりません。
「唐変木め」
と、だれかいうと、ポカリと一つ。
「あいたッ、何をするんで」
「べらぼうめ、なにが大難が小難だ、やいッ、何がまアいい、まアいいだよ。この野郎、生かしちゃあおけねえ」
と、いきなり彼の河童の如き総髪をつかんで、ゆるせゆるせというやつを、げんこつの乱打でそこへ参らせてしまいました。
まだそれでも飽き足らず、ほんとに殺してしまいそうなところへ、
「あっ、待ってくれ」
これは前の河童に似た総髪よりも、この仲間には顔のききそうな町人が飛んで来て、
「それはおれの連れだ、待ってくれ、おれの連れだ」
と懸命に叫んで食い止めました。
それに一時は手を引いたものの、またお互いに怪しみの目を交わして、
「やい、おれだの連れだのって、てめえは一体見物人か、どこのだれだ? ちッともこの小屋で見かけねえ野郎じゃねえか」