Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
それを言わねえとたたッ斬るぞ、さ、言うか、言わぬか」
「な、なにを」
次郎は野槍を取ろうとして渾身の力を両腕にあつめながら、
「斬れるものなら斬れ、おいらには、ちゃんと付いている人がある。今に泣き面をかかせてやるから見ていやがれ」
あれから、何処かでたっぷりと米の飯が腹におさまったものとみえて、次郎は、昼間ここの甘酒の釜の前でションボリしていた元気とは雲泥の差であります。
連れがあると聞いて金右衛門は、いよいよこいつ油断のならない小僧、斬るべきか、手捕りにすべきか、それともどうしてやろうかと、思案をしながら、取敢えずポンと野槍の柄を押ッ放すと、
「あっ」
と次郎はうしろへよろけて、その足元を踏み直すや否、奮然、獅子の子のように髪逆立ててまいりました。
「さあ、突け」
「なに」
武器のうごきも心のごとく懸引がない、大手をひろげた金右衛門の胸元へ、野槍と一緒に真っすぐに突いてかかる。
それを軽くあしらって、かわすこと七、八たび。
もう疲れそうなものだと見ているが、棒に刃物をすげた奇妙な武器は、いよいよ鋭く、いよいよ加速度になって、ともすると金右衛門とて飛んだ不覚をとらない限りもないふうです。