Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「まだ何か用事があるか」
「土産で思いだしました。――あまり大した代物じゃございませんが、途中から連れて来た小泥棒一匹、この床下まで持って来てありますから、よろしいようにお納めをねがいます」
驚いた尺取が、役宅の床下から逃げ出して行くところを、蜂屋源之進のあわただしい声と共に、ばらばらと駆けつけた奉行所の者が、寄ッてたかッて、高手小手に縛り上げました。
彼が甲府町方の役所を辞して、もとの濠端へ引返して来ますと、思いがけなく、しきりと自分の名を呼ぶものがある。
見ると、道中もさんざんたずねあぐんで来た徳川万太郎です。
小仏で別れた時とは服装もちがい、髪から履物にいたるまで、小洒張と改まっているのがまず釘勘に目をぱちつかせて、
「やあ、若様じゃございませんか、一体どうしたというもんでございます」
万太郎は相変らず、何がどうしたのかというような顔つきで、
「お蝶と日本左衛門とが、この甲府へ来たのをそちは知らないのか」
「多分、それとは思いましたが、あれから甘酒茶屋へ戻ってみますと、次郎と月江というお女中だけで、万太郎様はあの晩から戻らないというお話、また出し抜けを食ったかと、一時はちょッと面食らいましたぜ」