Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
そして、彼のゆくところについてまいれば、自然お粂の居所も知れるというもの!」
金吾はいだてんと駆け出しました。
掛小屋の裏から柳町の横へ。
彼は、焦けたる大地をふむ足の裏のあつさを知りません。眉間にじりつく真昼の陽のつよさにも気がつきません。
「お、あれだな」
やっと、向うの辻に見つけ出した、二人の影。
伊兵衛を捕りおさえれば、仮面の手がかりがあろう。
お粂に会い得れば、すなわち、自分の熟考してきたことの決行に依って、こんどは、日本左衛門へ堂々と果し状をつけ、小仏以前の怨みと、小仏以後の忍苦をそそぐことができる。
今、二つの赫々たる希望に向って、金吾の汗は流れています。肩は熱風を裂いて、程なく伊兵衛と馬春堂の襟がみへその手が届かんとしています。
草いきれ
高札場の辻を右へ折れて、夏草のしげった空き地の細道をななめに抜けて行こうとした時です。
「や、小屋にいたさっきの奴が、追いかけて来るようだぜ」
「えっ、金吾が?」
偶然うしろへ首を廻した馬春堂と伊兵衛とが、小半町ほど後から真向きに飛んで来る金吾の姿を見かけて、
「さては、野郎もあとで気づいたとみえる」
と、にわかに狼狽の様子でした。