Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「秦野屋じゃねえか、どうしておれの居所が分ったのだ」
と、日本左衛門は意外らしく言って、
「が、とにかく、草鞋を解いてあがってはどうだな」
「ところが、今夜は腰をすえちゃいられないので、この九兵衛のからだもせわしいが、兄貴、おめえも此寺に悠々と飲んでいるなんて、すこし物騒過ぎやしねえか」
九兵衛が声をひそめるのを、
「なぜ?」
と日本左衛門は微笑をふくむ。
「なぜって言って、知らねえのか、尺取が召捕られたのを」
「十太がどじを踏んだことはおれも噂に聞いているが」
「まだそればかりか、今夜は千束の稲がおれの鼻をあかす気かなんかで、金吾へ手出しをしに行ったところが、しびれ薬で参っていると考えたのが大間違い、かえって、先の策に乗って、さんざんな目に会ったろうじゃねえか」
「ふーむ、それは今夜のことか」
落着いては聞いていますが、金吾のために数人の手下があやめられたという事実を耳にしては、彼の心もおだやかではありますまい。
九兵衛はことばを次いで、
「そうさ、つい今しがたの出来事だ、おれはお粂の曲独楽の小屋にいて、それとなく彼女の楽屋を探っていたところが、ちらとそんな噂を小耳にはさんだので、大急ぎで馳けつけてみたが、もう祭は済んで、金吾も稲吉も見当らねえ始末。