Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「まあ、いやだ、気味のわるい人!」
飛び退こうとすると、かの女の袖は、鉄窓にからんでいました。
「離して! わたしには、ほかにも急ぎの用があるんですからネ」
「気味がわるいことはない、私は神の僕です。ころびばてれんのお前の父親とはわけが違う」
「大きなお世話じゃないか」
「お気の毒な、さだめし、二官殿は良心に責められておいでだろう」
「うらやましかったら、お前さんも早くころんで、牢から出してもらえばいいのに」
「はははは……」
あたりを忘れて笑ったが、ふと、改まって、
「私の国も羅馬。そなたの父親も故郷は羅馬。ふたりは、同じ国の同じ都の人間です。お蝶さんは、それを知っていますか」
「そんなこと、聞かなくッても分っている」
「じゃ……二官殿が日本へ来たほんとの理由を聞いておいでかな?」
「? ……」
「日本は禁教の国、徳川家では、海をこえて来た異国人と見れば、すぐ捕えずにはおかない。そんな危険を承知しながら、なんで、私がまた二官殿のあとから羅馬を立って来たか、そこに深い秘密がなくては……」
「離して下さいよッ」
じれッたそうに袖を引いてうしろを見ました。
そこには、いつのまにか、土蔵の方で待ちぼけを食って、たずねて来た仲間の龍平。