Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
笠と片手をひろげて、お粂の身をかばいました。
螢の闇
見れば、紺のさめためくらの手甲脚絆に、やぼな身なりをした年寄ですから、
「なんだい、とっさん。つまらないところへ出しゃばって、怪我するとつまらねえぞ。早く小屋の外へ引っ込んでいるがいい」
長脇差を抜いたてまえにも、お粂を取巻いた、文身庄の身内が、こう息まいて押しのけようとすると、
「相済みません、御尤も様でございます」
と老旅人は腰を低くして、
「したが皆さん、金のことで、この女を殺すというのは、両損じゃないかと存じます。少々ですが、このおやじの持合せですむなら、何とか、お話し合いということにして、私にここをあずけてくれませんか」
といううちに、与市兵衛でも持ちそうな財布の紐を解いて、
「五十両ございます」
一人の男の手をつかんで、その手へ重く握らせたものです。
目と目を見合せて、あっけにとられているのを、
「まあ、まあ、細かい勘定なしということで、あまったらあなた方で、一杯飲んでいただくし、不足だったら、その分だけは太夫元にまけてもらうという都合に」
まるで子供あしらいにして、苦もなく、五、六本の長脇差をさやに納めさせた上、門外漢である風来の老旅人が、小屋の持主の代表者を、あべこべに小屋から追い出してしまったのは何といっても手際なものです。