Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

が、彼の動作に気がつくものは誰もなく、お蝶をかごの中へほうりこむや否や、各は高飛びの足ごしらえに急であります。

脚絆の紐、わらじの緒、手早く結び終えますと、千束の稲吉、雲霧の仁三、秦野屋九兵衛、それに四ツ目屋の新助と都合四人。

お蝶のかごを取り巻いて、

「じゃ親分。上総の方へ一足お先に」

一文字の笠をそろえて会釈しました。

日本左衛門は廻廊の端まで出て、蝋色鞘の大刀を板縁に突いて手を置きながら、

「城下境を出るまでは、人目につかぬよう、なるたけちりぢりに分れてゆけよ」

と、見送っている。

棒鼻にゆらゆら揺れる明りにもつれて、かごと人との影は、一散に、鼻寺の本堂をあとにして、山門の際まで走り出ました。

途端です――

その行き足を食い止めて、わッという波のような人声。と共に、霜柱を蹴ちらしたような銀みがきの十手の一ツ一ツから、御用、御用、御用、御用! 果てしもない人数の喚きです。

「しまッた!」

ドンと板縁に鐺をついて、その大刀を横に提げ直した日本左衛門が、ばらばらと方丈の奥へ駆け込もうとすると、内陣の宝燈、経机をくずして、忽然とおどり立った一人のものが、