Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「逃げたとすれば、高麗村へ帰って行ったにちがいない」
こう月江が気休めをつぶやきますと、半五郎は首を振って、
「いやいや。どうしたッて、ひとりで逃げ出せるわけがない」
と頑固に否定してしまう。
「じゃあ、おりんはどうしたの」
「さあ、それは分らねえが」
こんな会話をつづけ合っていると、どこからともなく、柴をいぶすような白い煙が、自分たちの足元へ低く這ってきたので、
「や。この家にはたれか人が住んでいるぞ」
そこで半五郎は、さっき途中でチラと見た灯が、決して自分の錯覚でなかったのだと気がついて、にわかに、納屋小屋とおぼしい屋敷の横手へばらばらと駆けだしました。
そこも納屋だか物置だか分らないほど荒れています。綿のような白い煙は、たしかにこの近くから流れている。
と。――彼や次郎の足音を耳に入れたのでしょう、立てかけてあった風呂場の戸をはずして、ひょいと外をのぞいた女があります。それが意外にもおりんだったのです。
おりんは、湯をわかして、髪や手足を洗っていたところでした。半五郎は呆然とするし、次郎や月江は手をとって狂喜しました。
なおさらのこと、おりん自身の驚きは申すまでもありません。