Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
がたんと、ヨハンは不意に椅子から立って、フウとうしろへ後さがりに身を引きました。
「お寝みなさいまし。今夜はもうお話をいたしますまい。そのベッドへ寝て、二官様の顔つきでも夢の中でごらん遊ばせ。そして、今のことは、お父上の二官様にきいてみるが、よろしゅうございましょう。……では明りを消しますよ。とにかくお姫様、ヨハンはあなたの血の全部が、王家の御息女に洗い返されるまで、あなたのお体をこの天堂谷へお預り申しているつもりでございますから、それだけをおふくみ下さいまし」
ふッと明りが消えました。
ヨハンの顔もお蝶の影も塗りつぶされて、ただ白いシーツの上に、窓越しにうごく白樺の葉の影がほの青く見えるばかりであります。
ギイ……と扉の音をさせて、ヨハンが小屋を外へ出ると、そこに誰やら二人の男がじっとたたずんで彼を待っていました。
「オオ、梅市と安蔵――」ヨハンはあとの扉を閉めて、外の影法師へ手招きしながら、白樺の森へ歩き出しました。
「お前たちが交わる交わる旅から帰って来るのが楽しみだ。そして何かよい手懸りはなかったか」
「ありましたよ」と蓑直し安蔵が「ヨハン様、とうとう王庁の文に書いてある鶏血草の花を見つけましたぜ」