Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

途端に――日本左衛門の影は鼠走りに、中廊下の横へかくれました。もう、金吾にはそれが感じられたので、彼は、手燭をそこへ置いて、

「曲者ッ」

と、一跳足に、飛んで来ました。

「なに、曲者?」

同時に、彼の起きて出た隣の部屋で、こういったのは万太郎です。――遠ざかる廊下の足音を耳にするが早いか、同じく、おッとり刀という構えで、

「金吾ッ、何ごとじゃ」と色をなして駆けつけて来ました。

「おお、若殿。お目ざめでございましたか」

こういいつつも、なお八方へ眼をうごかしている金吾の様子に、

「曲者はいかがいたした?」

「見失ったようにございますが、まだ屋外へ逃げ出した様子は見えませぬ」

「家族たちを起こしたらどうじゃ、物盗りであろう」

「気がかりなのは、千蛾殿のいる、北の屋の一室です。――あの辺りで、何かふしぎな物音が聞こえましたので、それで目をさましましたので」

「千蛾の部屋に妙な音が聞こえたと。それは気がかりだ。万一、あの……」といいかけたまま、万太郎は思い当った不安に駆られて、一散に彼のいる北の屋へ走り出しました。そして、そこの橋廊下を渡って、境の錠口でドンという音をさせると共に、