Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

「…………」

「奥州の土産ばなしに、天狗にお目にかかりてえもんだ――と、こないだうちから念願にかけていたら、ほんとに巡り会っちまった。しかも天狗が二人して密々ばなしだ。やがて、ひとりの天狗が鞍馬へ帰り、ひとりの天狗は今、吉次の眼の前で、しまッたと云わんばかりな顔をしていらっしゃる。……ね、光厳さん、お前さんも、天狗の仲間の一人でしょ」

指さされた光厳の顔は、青い憤怒の仮面みたいにさっと変った。――おのれッと、その口が焔を吐いたように叫ぶと、法衣の下から抜いた短い刃が、濡れ縁に腰かけている吉次の胸もとへ、いきなり突いて行った。

吉次は、地を蹴って観音堂の縁へとび上がったが、すぐ飛び下りて、光厳のうしろから羽交い締めに抱きすくめ、なお、死力を尽くしてもがき抜く光厳の耳元へ、蚊が啼くような小さい声で云った。

「同士討は止そうじゃありませんか。お味方になりましょう。……てまえも、天狗の仲間へ入れておくんなさい」

六

こうなっては力ずくで吉次に敵うはずはない。光厳は病身である。吉次は逞しい。

「刃ものいじりなんざ、およしなさい。それこそ、僧門の人のがらにもない事だ」