Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

此家の召使たちへも憚りがあろう。常磐はあわてて乳をふくませ、柴垣の根に身をかがませて待っていたが、そこの窓も他の戸も、盲のように開かなかった。

「今若様よ、今若様よ」

「あい」

「そんな所へ寝てしまうでないと、弟御様を起してよ。――そしての、お許もお睡かろうが、怺えてたも。――今に伯母御さまが家へ上げて下さろうに」

「睡かない。お母あ様、ここは誰のお家」

「母がお親しい身寄りのお方じゃ。よも、素気のうは遊ばすまい。まいちど、門の戸をたたいて訪れて見やい」

今若は、小さい手で、門の戸を手の痛くなるほど打った。

果ては、押したり、垣を揺すって、

「開けてたも。此家のお人。――開けて。開けていのう!」

と、絶叫した。

牛若が、泣きやんだので、常磐も共に、

「もしっ……伯母御さまえ。ご迷惑でも、ここばかりをお力と、辿り着いて参りました。六条の常磐でござりまする。もし、もし……はやお寝みでござりますか」

もう声も涸れかけた。

すると、垣の横側のほうから、のっそりと近づいて来た人影がある。恟ッと、口をつぐんでいると――

「お前どもは、どこの衆か知らんが、むだな事よ。此家の旦那さまは、京都におざるし、お内儀には、遠国へお旅立ちで、わしら、召使の者のほかは、誰もおりはせんがな」