Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

ここには、往来のため長い橋が架けられてある。

しかし橋板はもちろん対岸の敵がのこらず引いてしまった。また、渡河の攻め口としては、地形や水勢から見ても、この附近しかない事は分っているので、敵は、ここの橋杭を中心として、上流下流の数町にわたって、あらゆる障碍を水底に設けていた。

「なんの、これしきの河」

坂東武者はみな気負いたって、義経の令をむしろもどかしげに待ち焦れていたが、義経は、

「いや、難しい」

と、正直に自然を怖れ、先に、馬を降りてしまったのであった。

兄の範頼を瀬田にのこし、彼の軍は、伊賀路から笠置を経て、宇治に屯し、きょう正月の二十日、いよいよ渡河を決意して、この富家の渡しまで押出して来たのである。戦略上、兄の範頼のほうでは、

「両軍、合せて四万」

と、称えているが、実数はその十分の一、四千余りの兵数でしかなかった。

それを義経が、正直に、

「瀬田口に二千五百を向け、宇治川へは一千五百をひいて行く」

と、誰にも、ありのまま実数を云いふらしたというので、範頼は腹を立てて、

「九郎殿は、余りにも兵法の弁えがなさすぎる。あんな事で、宇治川の備えを破れようか」