Classici giapponesi con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Leggi 照葉狂言 (てりはきょうげん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.730 caratteri · 100 schermate
市中の中央の極めて好き土地なりしかど、この町は一端のみ大通りに連りて、一方の口は行留りとなりたれば、往来少なかりき。
朝より夕に至るまで、腕車、地車など一輌も過ぎるはあらず。美しき妾、富みたる寡婦、おとなしき女の童など、夢おだやかに日を送りぬ。
日は春日山の巓よりのぼりて粟ヶ崎の沖に入る。海は西の方に路程一里半隔りたり。山は近く、二階なる東の窓に、かの木戸の際なる青楓の繁りたるに蔽われて、峰の松のみ見えたり。欄に倚りて伸上れば半腹なる尼の庵も見ゆ。卯辰山、霞が峰、日暮の丘、一帯波のごとく連りたり。空蒼く晴れて地の上に雨の余波ある時は、路なる砂利うつくしく、いろいろの礫あまた洗い出さるるが中に、金色なる、また銀色なる、緑なる、樺色なる、鳶色なる、細螺おびただし。轍の跡というもの無ければ、馬も通らず、おさなきものは懸念なく踞居てこれを拾いたり。
あそびなかまの暮ごとに集いしは、筋むかいなる県社乙剣の宮の境内なる御影石の鳥居のなかなり。いと広くて地をば綺麗に掃いたり。榊五六本、秋は木犀の薫みてり。百日紅あり、花桐あり、また常磐木あり。梅、桜、花咲くはここならで、御手洗と後合せなるかの君の庭なりき。