Classici giapponesi con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Leggi 照葉狂言 (てりはきょうげん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.730 caratteri · 100 schermate
小親は声低く力を籠めて、
「いけない、危いから。」
「可いんだ。」
「可いじゃアありません。お止し、危ないわね。あんながむしゃらの向うさき見ずは、どんな事をしようも知れない。怪我をさしちゃあ、大変だから……あれさ!」
「構うもんか、厭だ! 厭だ。」
「厭だって、危いもの。返りましょう。あとへ返りましょう。大人でないから恐いよ。」
国麿は快げに、
「ざまあ見ろ、女の懐を出られやしまい、牛若も何もあるもんか。」
「厭だ、厭だ、女と一所にゃ厭だ。放して、放してい。」
「堪忍おし、堪忍おし、堪忍して頂戴、私が悪いんだから堪忍おしよ。」
ひしと抱きて引留むる。国麿は背ゆるぎさして、
「勝ったぞ、ふむ、己が勝った。貢、汝が負けた。可いか、能のな、能の女は己がのだぜ。」
言棄てて槍を繰り込み、流眄に掛けながら行かむとす。
「負けない、負けやしないや。」
国麿は振返り、
「それじゃあ来るか。」
「恐かあないや。」
「む、来るなら来い! 女郎の懐から出て来て見ろ。」
小親呀と叫びしを聞き棄てに、振放ちて、つかつかとぞ立出でたる。背後の女はいかにすらむ、前には槍を扱いたり。
「さあ、来い。」
と目の前に穂尖危なし。