Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate
ホグベンの「百万人の数学」が紹介されたとき日本で忽ち『百万人の数学』という本をかいて、それが悪い本だと云って石原純や小倉金之助におこられた竹内時男という工業大学教授があってね、その人が、この頃は「科学のこころ」というようなものが出て、その程度でいいものだとでも思ったと見えて「人工ラジウム」というものを特許局に請願して許可になりました。医療用として。ところがそれに対して、囂々たる批難が学界におこって、日頃はあんなに仲もよくない物理・数学・化学その他の専門部が一致して物理学界の例会で討論をやり、竹内時男という人の学者的立場は、そのにせものの本来をむき出しました。この事に一般の関心と興味の向けられた情熱は一種まことに面白いものであったと思います、うそにあきているのでね。
そしたら新聞か何かのゴシップに、この頃は彼の研究室に助手となるものがなくて閉口ですって。大笑いしてしまった。それでもやはり先生をしていたのかと、却ってびっくりよ。よく先生になっていますね。肝心の学問がそんなで、根性がそんなで、無上のスキャンダルをおこしながら。石原は原アサヲと一緒になって学校やめさせられたけれども、彼の学者的実力は決していかがわしいものではないのだそうですが。