Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate
この頃はレオン・ドウデエの本が訳されます。どうでえと平仮名に書いた洒落のわけでもないのでしょうが。
范とお書きになっているって。そうだったのね、私は字なんかおちおち見ていなかったものだから。泉子がたよりをよこして、こんなこと書いているのよ。「好ちゃんは私を覚えて居てくれるでしょうか、ねえおばさま。好ちゃんは私の顔や声忘れはしないかしら、ね、おじさま。わたしは好ちゃんに会いとうございます。泣きたいほどです。でも私は涙が出ると、いそいで鏡を見て、ちゃんとして、ちっとも泣きなんかしないようなふりをいたします。そして元気な手紙をかきます。私は好ちゃんもきっと時々はせつないときもあるだろうと思って、私が泣いたりしてはわるいと思いますから。でも私は欲ばかりだから、きっと好ちゃんは、私のことをちゃんとわかっていてくれると信じて居ります」
もっといろいろ書いてありました。そのたよりをよむと、泉子のぽーっと上気した顔つきや単純で熱烈な表情や身ごなしがまざまざとして。泉子もいつか成人したものと思います。好ちゃんのたよりおうけとりになるでしょう? 相変らず精気にみちた様子でしょう? こちらへはたまにたよりよこすだけですが、それでも片鱗のうちによく全貌がうかがわれます。