Classici giapponesi con furigana
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
Leggi 玉藻の前 (たまものまえ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.703 caratteri · 261 schermate
お身たちも命を惜しまず、精かぎり根限り祈りつづけよ。われわれ五人のうち、一人たりとも心のゆるむものあらば、修法は決して成就せぬものと思え。胸にきざんで忘るるな」
播磨守泰親は決死の覚悟でこの大事に当たろうというのである。千枝太郎のほかに、三人のすぐれた弟子も交るがわるに呼び出されて、同じく師匠の大決心を言い聞かされた。弟子たちはみな涙ぐまれるような心持で、神のように尊い師の前に頭をさげた。一種悲壮な空気が安倍晴明の子孫の家にみなぎった。
一時は鴨川が溢れるかとも危ぶまれた今年のさみだれも、五月の末から俄に晴れつづいて、六月にも七月にも一滴の雨がなかった。火のような雲が空を飛んで、焼けるような強い日が朝から晩まで照りつけた。それに焦された都の土は大地震のあとのように白く裂けてしまった。鴨川の水も底を見せるほどに痩せて枯れて、死んだ魚は白い腹を河原にさらしていた。大路の柳はぐたりと葉をたれて、広い京の町に燕一羽の飛ぶ影もみえなかった。それが京ばかりでなく、近郷近国いずれもこの大旱に虐げられて、田畑にあるほどの青い物はみな立ち枯れになってしまった。
あらゆる神社仏閣で雨乞いの祈祷が行なわれた。