Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
Leggi 玉藻の前 (たまものまえ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.703 caratteri · 261 schermate
「わしは少納言信西じゃ」
「遠慮はない。おもてをあげて見せい」
関白に再び声をかけられて、藻はしずかに頭をあげた。彼女の顔は白い玉のように輝いていた。彼女の眉は若い柳の葉よりも細く優しくみえた。彼女の眼は慈悲深い観音のそれよりもやわらかく清げに見えた。その尊げな顔、その優しげなかたち、これが果たして人間の胤であろうかと、色を好まない忠通も思わず驚歎の息をのんで、この端麗なる乙女の顔かたちをのぞき込むように眺めていた。六十に近い信西入道も我にもあらで素絹の襟をかき合わせた。
「年は幾つじゃ」と忠通はまた訊いた。
「十四歳に相成りまする」
「ほう、十四になるか。才ある生まれだけに、年よりまして見ゆる。歌は幾つの頃から誰に習うた」
この問いに対して、藻はあきらかに答えた。自分は字音仮名づかいを父に習ったばかりで、これまで定まった師匠に就いて学んだことはない。いわば我流でお恥ずかしいと言った。その偽らない、誇りげのない態度が、いよいよ忠通の心をひいた。彼は更に打ち解けて言った。
「なにびとも詠み悩んだ独り寝の別れの難題を、よう仕まつった者には相当の褒美を取らそうと、忠通かねて約束してある。