Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
しかも、クロはこの難行苦行にも屈する色なく、なおとぶことは稲妻よりもはやい。
すると漠々たる雲の海から、黒い山脈の背骨がもっこりと見えだした。竹童はどうにかして、ここから降りようと苦策を案じ、いきなり手をのばして鷲の両眼をふさいでしまった。
人間でも目をふさいでは歩けないから、こうしてやったらきっと止まるだろうという、竹童が必死の名案、はたせるかな鷲もおどろいたさまで、糸目のくるった凧のようにクルクルッとめぐりまわりだした。かれの計略が図にあたって急に元気よく、
「もうこっちのものだぞ、しめた、しめた」
とよろこんだが、あわれそれも束の間。
たちまち鳴りはためいた雷が、かれの耳もとをつんざいた一せつな、下界にあっては、ほとんどそうぞうもつかないような朱電が、ピカッピカッと、まつげのさきを交錯したかと思うまもあらばこそ。
「あッ」
といった竹童のからだは、おそるべき稲妻の震力にあって、鷲の背なかからひッちぎられた、そしてまッさかさまとなって、いずことも知れぬ下へ一直線におちていくなと見る間に――追いすがった鷲の嘴は、いきなりパクリと竹童の帯をくわえ、わらか小魚でもさらっていくように、そのまま、模糊とした深岳の一角へ、ななめさがりにかけりだした。