Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

もと東海の龍王といわれた八幡船十八艘のお頭領さまだ。サ、こう聞かしたからにゃ命ぐるみもらったからかくごしろ」

「ばかをぬかせ」

「なんだとッ」

「まごまごいたすとこっちでこそ、汝らの持ち物はおろか船ぐるみ巻きあげてしまうから用心しろ」

「や、こいつが! てめえいったい何者だ」

「富士の人穴にいた山賊だ」

「なに山賊……」

「おお、海賊の腕が強いか、山賊の智恵がたしかか、ここでいちばん腕くらべをしてもいい。それともすなおに頭領の龍巻をよんできて詫びをするか」

「なまいきなッ!」

勃然と海賊の武器がうごいた。

が――無益な問答をしているあいだに、呂宋兵衛は、じゅうぶんに幻術のしたくをしていた。

「ふッ……」

と、前後の対手へ二息かけると、たちまち、かれのすがたは一条の水気となって、あるがごとくなきがごとく乱打の武器もむなしく風を斬るばかり。

「うぬッ」

ひとりがすさまじい気合いで、おぼろの影を槍で突く。すると、ピチリと一ぴきの魚がはねた。

目の下、二尺もある鯔だ。

ザアッと、舷から二どめの浪がしらがきて、鯔を海中に巻きかえそうとしたが、海賊の手下どもはこれこそ蛮流幻術をやる山賊の変身と、よってたかって、手づかみにしようときそったが、ピチピチはねまわる死力の魚は、むしろ人間一ぴきつかまえるのよりしまつがわるい。