Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
おまけにおやじは、近ごろ、おれが水独楽をまわして小遣い取りをしていることを、うすうす感づいているんだから、こんな夜更けに帰ろうものなら、それこそ、飛んで灯にいる夏の虫だ。親方のげんこつがおれの頭に富士山脈をこしらえるか、弓の折れで百たたきの目に会わされるか、どっちにしても椿事出来、アア桑原桑原、桑原桑原。
こっそり、こっそり、蛾次郎は裏の暗やみに消えてしまった。
どこへいったのかと思うと馬糧小屋だ。馬糧を盗みにはいる泥棒はないから、そこだけは錠前もなく、ギイと開くと難なくかれを迎えいれてくれた。そしてまたソーッと閉めておく。
もとよりなかはまッ暗だが、愉快なことには、抱擁性のあるやわらかい麦藁が、山のごとく積んである。どうだい! すばらしい寝床じゃないか! と、蛾次郎はうれしくなってしまった。
火がなくッたって暖かい、人間の親方はあんなに冷たくッてとげとげしているのに、どうして枯れた麦藁がこんなに暖かいものだろう。変だなア、だが、なにしろありがたい、ここはおいらの安全地帯、いいお住居を見つけたものだ。
蛾次郎はかってなことを考えながら、いきなり麦藁の山へふんぞりかえった。