Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
そのとき、ふもとのほうから、ワーッという、ただならぬ鬨の声がおこった。鎖はまだきれていないが、忍剣はその声に、小手をかざして見た。
はやくも、木立のかげから、バラバラと先頭の武士がかけつけてきた。いうまでもなく、大須賀康隆の部下である。扇山へあやしの者がいりこんだと聞いて、捕手をひきいてきたものだった。
「売僧、その霊鳥をなんとする」
「いらざること。この鷲こそ、勝頼公のみ代から当山に寄進されてあるものだ! どうしようとこなたのかってだ」
「うぬ! さては武田の残党とはきまった」
「おどろいたかッ」と、いきなりブーンとふりとばした鉄杖にあたって、二、三人ははねとばされた。
「それ! とりにがすな」
ふもとのほうから、追々とかけあつまってきた人数を合して、かれこれ三、四十人、槍や太刀を押ッとって、忍剣の虚をつき、すきをねらって斬ってかかる。
「飛び道具をもった者は、梢のうえからぶッぱなせ」
足場がせまいので、捕手の頭がこうさけぶと、弓、鉄砲をひッかかえた十二、三人のものは、猿のごとく、ちかくの杉や欅の梢にのぼって、手早く矢をつがえ、火縄をふいてねらいつける。