Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
追ってまいったのでございます。どうぞ、あの金がなくては、これからさきのながい旅ができない身の上、かわいそうだと思って、お返しなすってくださいまし」
「この女めッ、だまっていりゃいい気になって、まるで人を盗っ人のようにいやあがる」
「どういたしまして、けっしてそんな大それたことを申すのでは」
「やかましいやいッ。てめえがおれたちに金入れを取られたといやあ、おれたちふたりは泥棒だ。よくも人に濡衣を着せやがった」
「あれッ、そのふところに見えます金入れが、たしかに、わたしの持っていた包みでございます」
「飛んでもねえことをいうねえ。こりゃ、おれが甲府の町でさる人からあずかってきた金入れだ。それを見やがってぶっそうないいがかり、どッちが白いか黒いか代官所へでてやるところだが、女巡礼を大の男ふたりで相手にしたといわれるのも名折れだ。さ、命だけを助けてやるから、サッサとでていきやがれ」
馬の草鞋にもひとしい土足が、むざんに女の肩をはげしくけった。
「これ、なにを無慈悲なことをなさる」
菊村宮内はわれをわすれて、その女巡礼の身をかばいながら、
「ふびんではござらんか、かような巡礼道の人の持物を巻きあげて、それがどれほどおまえたちの幸福になるものじゃない。