Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

「さあ、なんとおっしゃるか、おそばにおいで遊ばすから、おのおのがたじしんでお願いしてみたらよかろう」

と、しごくアッサリしている。

「いかんわい」

と、忍剣は頭をかいて、龍太郎の脇の下をソッと突ッついた。

「おい、後生だ」

「なにが?」

「尊公から若君へお願いしてくれ。だれにしたって、ここで一番日ごろの鬱憤を晴らして、腕の夜泣きをなぐさめてやりたいのは、人情じゃないか」

「そりゃ、拙者にしても、木隠流の戒刀をおもうぞんぶんふるってみたいのはやまやまだが」

「だから……尊公から若君へちょっと」

「む……ウ……」

と、口のうちで返辞をしたが、冷々と、あらぬかたへ眸をむけている伊那丸の顔を見ると、どうも、いいにくそうにして、貴公がいいたまえ、イヤおまえがいえ、とたがいになすり合っているばかり。

そんなことに、ふと目をはなしていたが、試合場のさわぎはいよいよ紛乱して、母衣馬や目付がものものしくかけまわり、なにか、番組急変の太鼓らしい合図が、ふいに、ドーンと鳴ったので、忍剣も小文治も、ハッと、口をつぐんでそのほうへ目をやった。

――と見ると、笹の才蔵は、うしろ姿をこっちに向けて、勝ちすてに豊臣家の幕かげへ引ッこもうとしている。