Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Leggi 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 188.242 caratteri · 380 schermate

Aozora Bunko

上下の歯がガチガチ鳴った。つづいてドンという音がした。首のない女の死骸が、子供を両手に抱えたまま、背後向きに転がったのであった。

人々は茫然と眺めていた。子供が大声で泣き出した。

もう一つの首が地へ落ちた。鼻のない出家の首であった。首は焚火の反対側へ落ちた。瞼を二三度痙攣させた。そうして切り口から一匹の紅巾が――紅巾のような真紅の血が、後から後からと流れ出した。と、首のない胴体が、前のめりに転がった。

一斉に人達は立ち上がった。そうしてバラバラと逃げ出した。

一人の癩人は這って逃げた。両足の脱げた癩人であった。一人の癩人は一本足で逃げた。片足欠けている癩人であった。

焚火が景気よく燃え上がった。

二つの首と二つの胴と、踏み潰された子供ばかりが、焚火の光に照らされていた。

そうして一人の美男子が、しょんぼりとして佇んでいた。

宗匠頭巾を冠っていた。利休茶の十徳を纏っていた。そうして右手にドンヨリと光る、抜き身をダラリと下げていた。

玲瓏と美しく磨きのかかった、しかし一向表情のない、ちょうど精巧な仮面のような顔が、頭巾の下に描き出されていた。

彼は少しも動かなかった。