Classici giapponesi con furigana
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いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
Leggi 遺愛集 (いあいしゅう) di 島 秋人 (しまあきと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.488 caratteri · 102 schermate
の優しきを読む
還り来ぬ憶ひ幾度び湧き来てはふるさとに似る吹雪降りしく
より添へる獄窓に月あり死なず済み春の静かなひと日昏れたり
あたたかく触り得るもの欲る夜をくれなゐ淡く桃のほころぶ
久々の面会ありてほほ熱く話題はずみて語る身たのし
やはらかく土に浸みつつ春の雨細く降り継ぎひと日昏れたり
窓に差すうすら陽に照り紅椿素直に重く咲きて匂へる
いのち生くる独りの翳り慕はしく日向に雑草の萠ゆるを眺たり
笑む今の素直になりしこのいのち在るとは識らず生かされて知る
四度ならず牧師に云はるる汝が聖歌はオンチ展あらば一等なると
下手と云ふ聖歌をひとり帰り来てうたへばいのち愛ほしかりき
うれしさの憶ひ湧きしを愛しみつつ静かにいのち和むわれ在り
憶ふ都度事のなつかしふるさとはわれの憶ひに移らずありて
今在りて愛しと思ひ真向へる朝の洩れ陽の静かに温し
人をみな親しみ憶ひ春嵐聴きつつさ夜をふみ書きゐたり
春の日の番神岬の浜にゐて日昏れひもじく聴きし鐘恋ふ
東風と待ち南とも恋ふ風音を鎮もる獄に終日聴きたり
雑草萠えの陽の差す窓に真向へば笑むのみほほのとけゆく如し
あたたかき一生と憶ふ今の身に添ひて得ること少なからねば