Classici giapponesi con furigana
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いあいしゅう
遺愛集
島 秋人
Leggi 遺愛集 (いあいしゅう) di 島 秋人 (しまあきと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.488 caratteri · 102 schermate
たのしみて独り書く文字乾きゆく墨の香りのあるかなきかに
師の愛に心を矯めて生き来しに召されしと知るひと日おくれて
獄なれば師父の訃をさへひと日過ぎ知る身なりけり恩深く謝す
日本の宝と惜しむ師父空穂在はさぬ事の信じがたしも
天も地も総べて哀しめ生涯の師父と慕ひし空穂召されし
師父空穂召されしと知るわれの掌に「去年の雪」あり遺品となりぬ
生かされて得る日尊びかきつばた朝の風にそよぐを眺たり
母在らば死ぬ罪犯す事なきと知るに尊き母殺めたり
兄を呼び弾む児のこゑ透り来て梅雨の晴れ間のひととき愛し
身は生きて真紅のばらの咲き群るる風浴む花の清きに見惚る
蝶ひくく舞ふ芸ありて戦なき日日の五月さやかなりけり
金網ありて触れ得ぬ養母よ手紙来れば足りるひと日に温みかさなる
いやはてもかくあるべしとねがひつつ優しさに笑む心にひたる
生かさるるひと日尊び思ふ夜の総べてのもののいのち愛ほし
青葉照る庭に咲きてはあじさゐのいよいよ清しいろに出でつつ
生かされて在れば愛しき心得ぬすさみし過去のわれに驟雨降る
残飯を拾ひ食みゐるねずみゐて梅雨のさ獄庭にひととき愛し
今日の今在ると思はず生かされてうれしき事にひとり笑みする