Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate
「ふ、ふ、ふ……」と、初めて笑った。そして急にこんどは、話題を転じて、
「どうだ、筑前は達者か」
と、たずねた。
官兵衛もまたその答えを放擲して、さきの向けて来た話題にかまわず、
「主人小寺政職よりも、くれぐれもよろしくとの申し伝えにござりました」
と、いった。
うすあばたの痕のある瞼を、村重はパチパチとうごかして、
「お汝は今、御着におるのか。平井山におるのか」
「御着へもどっておりまする」
「そうか。何日?」
「近頃ではございますが」
「然らば、今日、使いとして来たというのは、筑前の使いではなく、小寺殿の使いで見えたのか」
「左様です。――これはまた、それがしのぬかりでした。まず、主人政職よりのこ書簡をご被見下しおかれますように」
「どれ……」
侍女へ向って、頤で取次をうながし、その間に初めて、一方の手で童女の手から莨を取り、大きく一ぷく喫って返した。
書簡はすぐ官兵衛の目前で封を切った。読み下すうちに荒木村重の面に複雑な色がうごいた。元来正直者である。内にうごく感情の色をつつんでいることのできない顔だ。
官兵衛は見ていた。もちろんその書簡は読み得ないが、彼の顔色に映し取ってそれを読むに難くないとしていた。