Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate
「や。あの片方の御足は?」
家臣たちは目をみはった。留守の者の大半はまだ彼がこんな不具になったとは知らずにいたのだった。
やがて還って来るものは、遺髪と爪だけかとまで、一ころは深く思いあきらめていた彼の妻には、大きく左の肩を落して、跛行をひきひき歩く良人の姿も、よくぞご無事で――としか見えなかった。
「松千代。お側へ行って、お父上の杖のかわりに、お手を取っておあげなさい」
妻は、自分が寄って行きたさを、子に託して、促した。
松千代は、駆け寄った。
「父上様。お手を」
すると官兵衛は、からから打ち笑って、その子や妻や、あたりの者たちを見廻して、
「よい、よい。それほどではないよ。まだこれでも、この先何十年も、千軍万馬のなかを駆けるつもりでおるのに、今から子に手をひかれるようではどうもなるまい。――こうしてヨチヨチ歩くと、恰好が悪かろうが、傍で見るほどのことはないのじゃ。大きく片方の肩を落して歩くほうが歩きよいので見得を捨ててるのだから心配すな」
それからうしろの供人の群れを振り向いて、
「又坊はどうした。又坊、おらぬか」
と、さしまねいた。
「はいっ」――又坊は人々に促され、こう答えると、素ばしこく寄って来た。