Classici giapponesi con furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate
「やあ、そうですか。それ程まで、前から、この田舎者をご存知とは、意外でもあり、何か大へん欣しい気もします。そのおことばに相槌を打つわけではありませんが、実はそれがしも国許におるうちから羽柴藤吉郎なるお名前には、常々心をひかれていました。従って、巷の噂までを、細心にこの耳袋へ入れて、織田ご家中には、あなた様以外、そう心にとめていたお方もござりませぬ」
「それはふしぎなことだ。見ぬうちからお互いに恋いこがれておったとは。――世上の毀誉褒貶はどうせ善い噂はなく、悪いことのほうが多いだろうに、この筑前如きへ、それほどお心寄せとはかたじけない」
「――が、正直のところ、お目にかかるまでは、もそっと威容堂々たるご体躯かと想像しておりましたが、それのみが少し案外な気がいたしました」
「何せい、幼時は、水呑百姓の家に、辛くも生い育ったので、生来このとおり体がかぼそい。しかし、打ち見るところ、御辺もあまり偉丈夫とは見えんな。お幾歳にならるる」
「ちょうどでござる」
「三十歳よな。それではわしの方がずんと兄だ。九ツも上だから」
初対面の彼にたいして、秀吉は敢て「兄」ということばを用いた。