일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면

아오조라 문고

吐息をついた駒井甚三郎は、やがて両の手を面に当て、卓子に臂をついて俯向いていました。それからまた身を起し、肱掛に片腕を置いてじっと前の卓上をながめている前には、長さ二尺に幅四寸ほどの小形の蒸気船の模型が一つ置いてあります。

駒井甚三郎は、その蒸気船の模型からしばしも眼は放さずに、手はペンを取って、しきりに角度のようなものを幾つも書いているのであります。この人は、いま出向いて行ったことのために、何か気に鬱屈があってこうしているのかと思えば、そうではなくて、この小型の蒸気船の模型と、それを見ながら幾つも幾つも線と劃を引張ることに一心不乱であるものらしく見えます。それにようやく打込んでゆくと、急に洋式の算術らしいことを始め、次に日本の算盤を取って幾度か計算を試み、それから細長い形の黒い玉を取っては秤台の上へ載せ、それを幾つも幾つも繰返して、その度毎に目方を記入しているようでありました。

この時分、夜はようやく更けて行って、水車の万力の音もやんでしまい、空はたいへんに曇って、雨か風かと気遣われるような気候になってきたことも、内にあって一心にこれらの計算に耽っている駒井甚三郎には、いっこう感じがないらしくあります。