후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
「エエ!」
米友は眼を光らせました。それから尾を引いたような長い唸りが続きました。
矢庭にその席を立った米友は、また屏風のところへ行って覗いて見ました。さきには右枕になっていた竜之助が、今度は左枕になって寝ていました。蒼白い面には苦悶の色がありありと現われていました。気のせいか、一筋の涙痕が頬を伝うて流れているもののように見えますけれども、やはりよく眠っているには睡っているに違いありません。
また炉辺へ帰った米友は、火を引いて鍋を自在からこころもち揺り上げました。
ここに米友は、不思議の感に打たれています。昨夜、この人を追うて出てついに行方を見失ったが、それとは別にはからざる人を助けて来ました。
相生町の老女の家へ、人と犬とを送り届けて、昨夜出た人の行方を心許なく帰って見ればその人は、極めて無事にこうして眠っているのであります。
そもそもこの人は昨夜、何のためにどこまで行って、いつ帰ったかということが、米友には測り切れない疑問でありました。それよりも眼の見えないはずの人が、目の見える自分を出し抜いて無事に帰っていることが、奇怪千万に思われてなりません。