후리가나로 읽는 일본 고전
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
吉川 英治의 柳生月影抄 名作短編集(二)(やぎゅうつきかげしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 173,309자 · 352화면
三
三
風のたよりに、高松陣の難攻は、丹波表でも聞いていたが、わしは途々ここの攻略の仰山な備え立てに吃驚した。
蛙ヶ鼻から石井山の中腹の御本陣へと登ってゆくと、いやでも、大規模な戦場の全地域が目の下に展かれてくる。
それが皆、いちめんの泥湖ではあるまいか。
わしも旅の間、降り通されて来たが、ここも梅雨の長雨で足守川、長野川などの河川は氾濫するばかりであった。それを、この石井山の南端から、大きな円形を描いたように、長さ二十八町二十間という堤を築いて囲み、川水を落して、大きな泥湖を作りあげているのである。その湖の真ん中に、ぽちと、沈みかけている楼船のような城が浮いていた。敵の高松城はそれなのである。毛利家の被官、清水長左衛門宗治が、わずか五千の士卒や農兵と共に、餓死してもと、死守している敵城なのであった。
猿殿の総軍は、約三万とか。
その大軍が、四月中旬ごろから、田圃のなかの小城一つへ、攻めかかって、二回の総攻撃も功を奏せず、殆ど、手を焼いてしまったため――最後の一策として、水攻めを計画したものなのである。
が、落ちないのだ。
城にはもう、一つぶの米、飲む水すらも、ないと知れきっている。