후리가나로 읽는 일본 고전
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
吉川 英治의 柳生月影抄 名作短編集(二)(やぎゅうつきかげしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 173,309자 · 352화면
それでも、泥湖の中の浮城は、寄手が近づけば、わっと反撥する。死にもの狂いになって戦う。物を食っている兵よりも強いのだ。
わしも、後で聞いた事だが――
思慮の深い寄手の大将猿殿には、力ずくでこの小城を落そうとすれば、敵に何倍する死傷を、寄手も出すに違いないと見たとの事で、その為こういう策を用いたものらしい。
毛利家には、元就の家訓があった。城を築く時、土台石に、その家訓を刻ませた。
百万一心。
の四文字だと聞いている。
猿殿は、それを知っていたのだろう。水攻めと、糧道を断つ、この二つで攻めた。けれど城兵の、五千一心、は六月にはいっても、陥落しなかった。
表面、包囲形を作って、三万の大軍は、ひしひしと詰めていたが、寄手にも、隠しきれない焦躁があった。――それは、毛利方の吉川元春、小早川隆景の四万の兵が、援軍として、すぐ対岸の山岳までもう来て対陣しているからである。
しかし、その援軍も、この広汎な泥水をながめては、手も出せなかった。――そして刻々と、実に刻々のうちに、城兵五千の餓死は迫っていたのだった。
はなしが前後したが、わしが石井山御本陣へ曳かれた黄昏は、そういう際どい戦局の危機であった。