후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
幸いにしてそこには、この裲襠を纏うていた当の人の姿は見えないから、まず安心というものでしょう。
「これがどうしたんだ」
七兵衛はその裲襠と、がんりきの面を等分にながめていると、がんりきは、
「これがその、講釈で聞いた晋の予譲とやらの出来損ないだ、おれの片腕では、残念ながら正のままであの女をどうすることもできねえんだ、時と暇を貸してくれたら、どうにかならねえこともあるめえが、差当って今夜という今夜、あれを正のままで物にするのはむつかしいから、そのあたりにあったこの裲襠と、床の間にあったこの二品、どうやらこれが金目のものらしいから、引浚って出て来たのだ。ともかくも、これだけの物があれば、これを道具に能登守にいたずらをしてやる筋書は、いくらでも書けようというものだ。この裲襠を見ねえ、地は縮緬で、模様は松竹梅だか何だか知らねえが、ずいぶん見事なものだ、それでこの通りいい香りがするわい、伽羅とか沈香とかいうやつの香りなんだろう、これを一番、能登守に持って行って狂言の種にして、奴がどんな面をするか、それを見てやりてえものだ。こっちの方の二品は、こりゃ錦の袋入りの守り刀と来ている、もう一つはズッシリとしたこの重味、この二つとも、殿様からの御拝領なんだろう、まだ結び目も解かず、封も切らずにあるやつが、手つかずこっちへ授かっ