후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
ことでもわかります。
この老女が何者であろうということが、ようやく近所から町内の評判になる前に、その筋の注意を惹かないわけにはゆきません。
けれども、その筋においても、一応内偵しての上、どうしたものか急に手を引いてしまったらしいようであります。
ここにおいて、老女の身辺には幾多の臆測が加わりました。誰いうとなく、こんなことを言うものがあります。
十三代の将軍温恭院殿(家定)の御台所は、薩摩の島津斉彬の娘さんであります。お輿入があってから僅か三年に満たないうちに、将軍が亡くなりました。二十四の年に後家さんになった将軍の御台所が、すなわち天璋院であります。天璋院殿は島津の息女であったけれども、近衛家の養女として、将軍家定に縁附いたものだということであります。この老女は、その天璋院殿のために、薩摩から特に選ばれて附けられた人であるというのが一説であります。
その説によると、この老女の背後には、将軍の御台所の権威と、大大名の薩摩の勢力とが加えられてあるわけであります。だからそこへ出入りする浪士体の者の中には薩摩弁の者が多く、そうでないにしても、九州言葉の者が多いのが何よりの証拠だということであります。