후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
弥次馬はそのあとをついて喧々囂々と騒いでいます。井戸側の少し離れたところに米友は、たった一人で手拭をもって身体を拭いていましたが、やっぱり誰も御苦労だとも、大儀だとも言うものはありませんでした。苦笑いしながら米友は着物を引っかけて帯を結んで、さて、
「あっ!」
と言って、さすがに米友があいた口が塞がらないのは、首根ッ子へ結いつけていた風呂敷包が、いつのまにか紛失していることであります。
風呂敷包が紛失しているのみならず、財布に入れておいた小銭までが見えなくなっていました。
その風呂敷包みには、道庵から頼まれた薬を仕入れるための金銭が入れてありました。
あまりのことに米友は腹も立てないで、着物を引っかけて苦笑いのしつづけです。
この場合に米友の物を盗み去るのは、火事場泥棒よりももっとひどいやり方でありました。しかし、盗んで行った奴とても、ただ路傍に抛り出してあったから、それを浚って行ったので、こういう場合に米友の抛り出して置いたものと知って盗んだのではありますまい。
また、水天宮様ばかりを讃めて、米友に一言の挨拶をもしなかったその子の親たちをはじめ近所の人々とても、決して米友を軽蔑してそうしたわけではなく、驚きと喜びに取逆上て、ついそうなってしまったのであることは疑いもないのであります。