후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
前の方の連中は、喧嘩でも起ったのか知らと振返って見ると、
「あッ、お通りだ」
喧嘩ならば頼まれないでも、弥次に飛び出して拳を振り廻す連中が、大名の行列と気がついて、悄気返って逃げ出しました。
梯子に跨ってさいぜんから、この様子を見ていた米友は、キリキリと歯を噛み鳴らして、丸い眼を据えて、狼藉を働く侍――いくら人集りがあるといったからとて、遠慮すればその外を通れない道ではないのに、こうして人間を蹴散らし、踏倒して通る大名行列というやつの我儘と、その我儘を助けるお供の侍どもの狼藉を見ると、口惜しさに五体が慄えました。
いったい、このごろの米友は、殿様とか大名とかいうものを、心の底から憎み出しているのであります。殿様とあがめられ、大名と立てられる奴等、その先祖が、どれだけ国のために尽し、人のために働いたか知らないが、今の多くの殿様というやつは薄馬鹿である。その薄馬鹿を守り立てて、そのお扶持をいただいて、士農工商の上にいると自慢する武士という奴等が、癪にさわっているのであります。米友の眼には、一人の殿様とやらが歩くのに、二百人も三百人も大の男がそのまわりにくっついて歩かねばならぬことの理由がわからないのであります。