후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
お怨めしいなんぞは有難くねえな。おやおや、あけた、あけた、なんの苦もなく雨戸をサラリとあけたぜ。さあ、いよいよ堪らねえ。あれあれ、廊下がミシリミシリ言うぜ、やって来た、やって来た、おいでなすった」
金助は驚き怖れて、蒲団を頭からスッポリ被って息を凝らしていました。これは金助の疑心暗鬼ではなく、たしかに庭を歩いて、雨戸をあけて、廊下を歩いて、金助がいま蒲団を被っている部屋の障子の前に立った者があるに相違ないのです。
「お角さん、もうお帰りなさったの」
障子をあけて、蚊帳の外に立ってこう言ったのは女の声であります。金助は黙っていました、蒲団を頭から被ってガタガタと慄えていました。しかし、燈火はカンカンとかがやいていることであるし、喫みかけた煙管はそこに抛り出してあるのであるし、その煙草の吸殻の煙ものんのんと立ちのぼっているのであるから、外から見ても、内から見ても、人がいないとは言い抜けられない有様であります。
「お角さんはどうしました」
蚊帳の外の女は再びこんなことを言いました。金助はそれでも返事をしなかったけれど、女は容易に立去ろうともしないで、
「そこに寝んでいるのはどなた」