후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
昨年の夏も秋も、伯父さんは被害地の村々を廻って警告して歩いても、自分の苦言に耳を傾けるものがないといってみえたでしょう」
「そうだ、姑息な示談などで泣寝入りしては破滅だと、わしが熱心に説けば説くほど疎ぜられたり嫌われたりした」
定助は下から少女の持って来たランプを釣るして、その火影に一層陰影深く見える正造を同情の眼差しで見やりつつ、
「それもそのはずです。実はいうに堪えぬような中傷がいいふらされていますよ。わざわざ私に教えに来てくれた人があります。田中はなかなかの狸だ。陽に陸奥や古河を攻撃しつつ、蔭に廻って党員の地方有力者に市兵衛から十万円の金をひきださせ、被害民にも与えたが、自分もまたあたたまった。それで地方政党の拡張を助け、それで選挙民の歓心を買った。田中は実に狸だ……」
「そのことならわしも聞いた。そういう風聞の立つのもわしの不徳で、田中はそれだけの男だから仕方がないが、被害民に対する攻撃はもっとひどい。鉱毒の被害などといって騒ぐが実は大したことではない。仰々しくいうのは要するに農民自身が金をせしめんためだ。農民は正直だというが、農民ほどこすっからいものはない。