후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
主人は不在だったが、座敷へ上って待っていると間もなく咳払いとともに帰宅の気配がきこえた。紹介がすむと、話はすぐ請願のことに触れた。簷の雨音が一層はげしくなり、座敷が暗くなったと思うと、はや灯影をうつして旧家らしい塗り膳が運ばれた。食後もなお話は尽きなかった。結局きまったことといっては沿岸の村々を遊説して、一日も早く結束を計ろうという以外になかったが、互に意志の疎通を得たことだけでも大きな収穫である。十一時すぎた頃、庭田たちは宿泊をすすめられるのを辞して帰途についた。提灯一つで闇の中を雨にたたかれつつ、それから三里の道を戻るのだった。
与八が彼等を途中まで見送って家へ帰ると、
「いま帰ったのか、だいぶ遅かったな」
父が目をさまして声をかけた。与八は父の枕もとへ来て坐った。彼は運動をはじめて以来、毎夜毎夜どんなに遅くともその日の経過を一通り報告する習にしていた。この夜の報告には与八の興奮も盛られていたが、父も目を閉じて満足そうに「ふむ、ふむ」と聴いていた。やがて父の高鼾が洩れだすのをきいて、与八は枕もとを離れた。
翌朝、与八は早速松本吉蔵と野中彦四郎を訪ねて、まずきのう一日の顛末を語った。