후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
彼等は雲龍寺にも立ち寄らず、篠突く雨のなかを道をかえて毛野村へむかった。途中の村々で先に帰郷していた同志たちが彼等をむかえ、東京の首尾をきくとともに、県会議員をしている毛野村の村長早川某たちが鉱業停止すべからずという陳情書を提出したという噂を伝えたりして、ともに激昂して繰り出した。かくて小野寺某の家の前へ来たときには、五百余りの人数になっていた。黄昏時のことで外の雨脚にはまだ薄明りが残っていたが、家のなかは真暗だった。はやくも怖れをなしてどこかへ逃げだしたのか、誰ひとり家人の影も見えなかった。
「逃げ隠れするな」「裏切者め出て来い」人々は口々にどなりだした。
「いや、われわれは決して乱暴しに来たのではない。ただ反対する理由をききに来たんだ」
いくら大声をたてても、空家同様の座敷を筒抜けるばかりだった。そのうちに一人が、
「きっと、どこかに隠れている。よし、捜し出してやる」
言葉とともに土足のまま縁におどりあがると、後から後からと踏みこんで、家中を歩きまわった。彼等は着物や蓑から雨水を垂らし、泥濘の中をきた土足で踏み荒らすだけで、結局なにものも得るところはなかった。