후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
それゆえ宿を貸す方も、彼の滞在が何日になろうが嫌な顔一つしなかった。だが、この日は老婆の様子が、どことなく平常とちがっていた。口裏から察すると、やはり駐在所の巡査を怖れているのである。正造は冷えた茶をふくんで腰をあげた。すると、老婆は皺のよった帯へ手を入れて、
「どこまでお帰りですか、とにかくこれで俥に乗って…」
申訳なさそうな顔をして三円差しだした。正造は老婆の皺の手を一瞥して首をふった。二心のないことを示そうとするその心根を、ただ憐れと思いやるほかはなかった。
こうした忽々の裡の一日、正造は雲龍寺の集会の席上である者に揮毫をせまられて、筆を運んだ。
――今よりは片手の声の音すなり、両手たたかで鳴りわたるまで
二十八年の作「神となれば片手の音もきこゆらむ、両手の声は誰もきくなり」の意趣に較べれば、正造の心境にある種の自信が加わってきた跡を物語るものである。実にこの歌は、この半歳、彼が心懐を託そうとして忽忙の間におりにふれて案じていたもので、去る四月四日たまたま前島密に示したところ「禅味に味いも叶い最上のできだ。白隠の片手の意味をさらに大きく拡張し、よく尽して明らかである」