후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
鱸や鯔が一網で五尾も六尾も捕れていた。また枝川へ杭木を立てて鮭網をかける者もいた。大雨の後には濁り水に仕掛けた袋網からは、五貫も十貫も鰻が捕れた。
たとえ年々歳々、ここにもまた人生の喜怒哀楽はさけがたかったとしても、まことに農民たちにとっては、自然の恵みを残りなく甘受できる安居楽業の地であった。
ところが、明治十二年の夏のことである。雨あとの川水が青白く濁って魚が白い腹を返して浮いて流れて来た。何千匹というおびただしい数である。だが、ただ目撃したものだけがどうしたことだろうと不審を抱いただけでその年は過ぎた。するとまた翌年の洪水に、勢のつよい鰻がくたくたになって流れてきた。子供たちがおもしろがって手づかみにして騒いだ。
「渡良瀬川にちかごろ変なことが起ってきた」
ようやく不審の声がひろがった。これは唯ごとではないぞと、野良の立話に不安の眉をひそめる者もいた。だが、誰一人として、その理由を知る者はいなかった。すすんで原因を穿鑿しようとする者もなかった。おそらく桐生や足利辺の機業家が使う染料のせいだろう、どこにもいる半可通のそういう言葉に、なるほどと合点して、すましていた。