후리가나로 읽는 일본 고전
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
国枝 史郎의 剣侠受難(けんきょうじゅなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,479자 · 394화면
亡霊
島原城之介の最期など、その一例といってよい。二つの亡霊を見たために――少なくもかれにはそう見えた。かれは自滅をしてしまった。かれが原の城へこもったのは、キリシタンの秘法を盗みたいがためで、そうしてそれを盗んだため、落城前に脱出してしまった。かれほどの悪人ではあったけれど、かれに秘法を伝えてくれた、島原一揆の総大将――もっとも黒幕ではあったけれど、イマニエル司僧が落城と共に、表に立った総大将の天草四郎時貞と共に、焔々たる火中に飛び込んで、殉難したと聞いた時には、さすがに懺悔心を起こしたものである。がそのうちメキメキと、悪業を積むに従って、せっかく起こした懺悔心を、消磨させたのはいうまでもない。しかし苦心して作りあげた、邪教の道場は破壊される、イスラエルのお町には翻弄される。すっかり自信を失うにつれて、また懺悔心というようなものが、心によみがえって来たものである。
そこへ付け込んだのが亡霊であった。
夜は明けたが日が出ない。朝の霧が立ちこめている。そよいでいるのはなんだろう? 崖を蔽うている群ら葉である。群ら葉に抱かれて懸かっている滝! シーンと音なく落ちている。