후리가나로 읽는 일본 고전
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
国枝 史郎의 剣侠受難(けんきょうじゅなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,479자 · 394화면
危険な左門町のその中でも、とりわけ危険な一郭で、ここに住んでいるということだけで、悪党どもは押しがきいた。「ナーニあっしは善人で、綽名は仏、名は小平。虫けら一匹殺しゃあしません。もっとも住居は巴小路で」などというとたいがいの者は、ふるえ上がって金を出す。
その物騒な巴小路の真ん中どこに立っているのが、巴御殿という化け物屋敷であった。御殿とはいっても巴小路での御殿。黒板塀こそかかっているが、決してたいした伽藍ではない。
だがいったいどういうところから、化け物屋敷というのだろう? いずれ原因を探ったら、先住のなにがしが妾を殺し、爾来血の雫がしたたるとか、金持ちの婆さんが縊り殺され、その恨みが残っていて、毎晩毎晩しゃがれ声で、「金くだせえ」とおっしゃるとか、そんなところへ落ちつくのだろう。さらに一層研究したら、超自然的の原因などはなく、陽あたりが悪いとか、井戸水が悪いとか、まわりがきたないとか、家賃が高いとか、至極平凡な実際問題へ、帰納されるに相違ない。
事実そこはここ数年来、借りて住む者がないのであった。
借り手がないから家がクサる。家がクサるから陰気になる。