후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
難なくムク犬の首を麻縄で括って、それを松の枝へ引き通して、悠々と引き上げにかかりました。けれども、不幸にして、最初から捲いてあった二重三重の鉄の鎖が取れていないのだから、ある程度までしか引き上げることはできません。
彼等の目的は、こうして首をしめてしまわない程度において、後足で直立するほどに犬の首を引き上げて、前へ廻って腹を見られるくらいにして置いて、仕事にかかろうというのであります。
すでに首へ縄を捲きつけて、その縄を松の枝から通してしまった以上は、さながらムク犬の身体は起重機にかけられたと同じことであります。若干の力で縄の一端を引張りさえすれば、ムク犬は腹を前にして、前足を宙に上げるような仕掛けにされてしまいました。
ただ例の鎖が捲きつけてあるがために、ある程度より上へは浮かないから、折角捲きつけた首の縄も、ムク犬には更に苦痛を覚えないのであります。だから、次の仕事はどうしても、その鉄の鎖を取外すことでなければなりません。
「なかなか大した鎖だ、合鍵がお借り申してあるから、これで錠前を外すがいい、それ、細引はよく松の樹へ捲きつけておかねえと、鎖を外す拍子に、縄がゆるむと間違えが出来るだ」