후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,120자 · 516화면
梅雨になるまでには、花も咲きました、木の葉も青葉の時となったことがありました、野にも山にも鳥のうたう時節もあったのだけれど、それも見ずに雨の時節になって、その音だけが耳に入るのであります。
竜之助とお銀様との間は、なんだか無茶苦茶な間でありました。それは濃烈な恋であったかも知れないし、自暴と自暴との怖ろしい打着かり合いであるようでもあるし、血の出るような、膿の出るような、熱苦しい物凄じい心持がここまでつづいて、おたがいにどろどろに溶け合って、のたりついて来たようなものであります。おたがいに光明もなければ、前途もあるのではありません。
今、お銀様に離るることしばし、こうして雨を聞いていると、竜之助の心もまた淋しくなります。この人の心が淋しくなった時は、世の常の人のように道心が萌す時ではありません。むらむらとして枕許に投げ出してあった刀を引き寄せて、ガバと身を起しました。例によって蒼白い面であります。竜之助が引き寄せた刀は、神尾主膳の下屋敷にいる時分に貰った手柄山正繁の刀であります。それをまた燈火に引き寄せてはみたけれど、さてどうしようというのではなし、茫然として坐り直して、刀を膝へ置いたばかりであります。